趣味の話題 ~「楽石庵閑話」~【第29話】亀山盛鉱山の二次鉱物

「楽石庵閑話」~【第29話】亀山盛鉱山の二次鉱物

鉱業博物館には亀山盛鉱山産白鉛鉱の大型標本が展示してあり、同級生のS君と標本を眺めながら是非とも亀山盛鉱山跡を訪問したいと語り合っていた。そんな折に三菱金属鉱業が、荒川鉱業から引き継いだ本鉱山跡の再探査を行っているとの情報があり、早速1/5万地図を頼りに森林軌道を15㎞歩いて鉱山跡にたどり着いた。

鉱山スタッフは旧営林署事務所に泊まり込んでいて、我々もお世話になり数日かけて大倉沢の大きなズリで採集を行うことができた。ズリは長年全く手付かずの状態で、青鉛鉱・白鉛鉱・硫酸鉛鉱・赤銅鉱等々の二次鉱物類が無数にありまさに宝の山だった。これらの採集鉱物を金床の松隈教授にみせると産出鉱物の研究を勧められ、教授の指導も受けて分析を行い、尾去沢石等を発見することが出来たのである。

残念ながら4年生になると卒論で忙しくなり、多くの標本はそのまま標本箱にしまわれたままとなっていたが、最近調べ直す機会があったので半世紀前の標本を紹介しよう。まずは代表的な産出鉱物、次に最近専門家により予想もしなかった鉱物と指摘された標本を紹介しよう(但し確定した訳ではない)。

【亜鉛孔雀石】

緑鉛鉱を伴う球状孔雀石かと思っていたが、青色味があり亜鉛孔雀石と判断された。

【尾去沢石】

当初発見されたのは土状だが,これは硫酸鉛鉱の結晶表面が尾去沢石化していると指摘された。

【寄稿】坂本憲仁(BS45)

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