趣味の話題 ~「楽石庵閑話」~【第9話】捕獲岩としての橄欖石

「楽石庵閑話」~【第9話】捕獲岩としての橄欖石

火山岩中に捕獲岩としてみられる橄欖石は、人の手の届かないマグマからの貴重な情報源で、学術的にも中々興味深い存在である。

秋田にいる頃、男鹿半島の目潟火山(マールの典型)は東北日本弧で唯一の橄欖岩捕獲岩の産地と云われ、湖畔で本標本のような帯緑淡黄色粒状の苦土橄欖石(黒い輝石を含む)の小塊を拾う事ができた。一ノ目潟はH19年に天然記念物に指定され、今は採集禁止になってしまった。

また三宅島の瓢箪山玄武岩中の灰長石は、銅分により桃色を呈し苦土橄欖石が含まれている。また風化・分離して海岸の砂の中に橄欖石の粒として含まれ、かつて〝ウグイス砂″と云われ砂壁用に採取された事がある。

我国からダイヤモンドが産出するか否かは長らく議論が続いたが、愛媛県新宮村総野の泥質片岩を貫くアルカリ玄武岩中の捕獲岩である苦土橄欖石に含まれる、輝石中のCO2流体包有物から2007年についに発見された。ここは「愛媛県新宮村の玄武岩岩床中にスピネル・レルゾライト捕獲岩の発見」(地質学雑誌 Vol.84 No.8)で知られ、恐らく同じ岩体であろう。産地詳細は未公開だが、本標本は発見された同一露頭から採取された含ダイヤモンド玄武岩とされる珍品である。

【寄稿】坂本憲仁(BS45)

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